1 理学療法
主に身体機能や運動能力の障がい、あるいは神経発達症のあるお子さまに対して機能の改善および機能低下の予防を行い、運動発達の促進、日常生活動作の獲得を図り、生活の質の向上を援助します。
対象
- 脳性麻痺
- 二分脊椎
- 骨関節疾患
- 筋ジストロフィー
- 21トリソミー
- 運動発達遅滞
- 呼吸器疾患
- その他の疾患
主な内容
- 身体機能の障がいに対して、関節を動き易くする運動、筋力を強くする運動を行い、身体全体の均衡と機能の維持、改善をはかります。
- 日常生活を向上させるために、日常生活練習、移動練習、車椅子練習などを行います。また必要に応じて装具・補助具の提案や、生活指導などを行い、お子さま自身の持っている能力を最大限に生かして、日常生活の自立を促します。
- 神経発達症に対しては、運動発達の促進と家庭療育の指導等を行います。
機器紹介
子どもたちが自ら楽しく運動に取り組むことを支援する機器を紹介します。
THE SPIDER
体に付けたベルトと外部の支柱をゴム紐で結んでいます。
体の重さやふらつきをサポートすることで、子どもたちが自ら動きを作りだし試行錯誤する場面が生まれます。
ハンドバイク(取り付け型)
一般的な車椅子の前方に取り付けます。
両手でハンドルを回して漕ぎ自転車のようなスピードで移動することができます。
リハトライク(三輪自転車)
適応身長140cmからの大きなサイズの三輪自転車です。一般的な自転車では漕ぐことが難しい方が扱えるように、体の傾きをサポートするパッド、片手で操作できるブレーキ、足が外れないようにするベルト等が付いています。
2 作業療法
作業療法は、発達時期に何らかの困難があるお子さまに対して、あそびを中心としたいろいろな作業活動を利用して、個々のお子さまの発達課題(運動機能、日常生活技能、学習基礎能力、心理社会的発達など)や、現在、将来にわたる生活を考慮した治療を行います。また、障がいがあっても家庭や学校、社会で生き生きと生活できるように指導、援助を行います。
対象
- 発達の遅れを持つお子様(精神発達遅滞など)
- 発達に偏りのあるお子様(神経発達症、限局性学習症など)
- 手の操作や体の運動に障害を持ったお子様(脳性麻痺、先天性異常、後天性(脳炎、脳症後など)の運動障害など)
目的
- 遊びの援助(運動、遊具の操作、コミュニケーション)
- 身辺処理技能の援助(スプーンや箸の操作、着替えなど)
- 学習の基礎技能の援助(縄跳び、はさみ、書字、笛、定規など)
主な内容
遊びを通して、発達を促します。
発達には、運動・操作・認知・社会性など、様々な領域があります。作業療法士は、それらの要素を遊びの中に含ませながら、子どもがチャレンジし、楽しめる活動や場面を設定していきます。
ボールプール
ボールが触れる感覚刺激がボディイメージを高めます
エアートランポリン
空気の力を利用して全身運動が行えます
クライミングウォール
ルートの予測など試行錯誤しながら、全身運動を行えます
スイング
バランス能力など姿勢をコントロールする力を高めます
トランポリン
3 言語聴覚療法
言語聴覚療法とは、発達途上でコミュニケーション機能(音声機能、言語機能、高次脳神経機能、聴覚機能など)の障がいを受けたお子さまに対して、発声訓練、構音訓練、言語訓練、摂食・えん下訓練、あるいは評価、検査、指導、助言を系統的に行います。
対象
- 精神発達遅滞
- 神経発達症
- 21トリソミー
- 言語発達遅滞
- 機能的構音障害
- 麻痺性構音障害
- 脳性麻痺
- 口蓋裂
- 吃音
- 注意欠如多動症(ADHD)
- その他の疾患
主な内容
- プレスピーチ訓練としての摂食訓練
食事を通してことばを作るための基礎作りをします。
- 聴能訓練
話しことば・様々な音などを聞き取り、聴く力を育てます。
- 呼吸・発声・発音・発語訓練
音声言語表出のための基礎訓練です。
- 構音訓練
日本語の話しことばにある特定(50音)の語音を正しく発音させる訓練です。
- 言語発達訓練
あそびなどを通してコミュニケーション機能を高めます。
- リズム訓練
吃音のように話しことばのリズムが障害されているときは、あそびを通してリラックスしリズムある話し方を学習します。
- ノンバーバル・コミュニケーション
表情・身振り・写真・絵・事物など非言語記号を用いて会話が広がるように訓練します。
4 心理療法
心理療法は、発達途上で生じるお子さまのさまざまな心理面の課題(学校や家庭の人間関係、性格、障がい、健康、進路など)を心理検査・カウンセリングを通じて見つめていただき、心の発達の援助を行うと共に家庭や学校、社会の中でより自分らしい生活を送っていただけるように支援していきます。
また、ご家族に対してもお子さまの心理面の理解、日常生活場面での対応の仕方、ご家族への心理面の支援なども行っています。
公認心理師が対応させていただきます。
対象
≪疾患・障がいに関すること≫
- 精神発達遅滞
- 神経発達症
- 注意欠如多動症(ADHD)
- 不安障害
- 摂食障害
- 場面緘黙
- その他
≪対人関係・社会生活に関すること≫
≪家庭生活に関すること≫
主な内容
- 心理検査(人格検査・発達検査・知能検査)
検査結果を用いて、お子さまの心理面や発達面の理解を深めていただくと同時に、治療方針を立てる際にも役立てます。
- カウンセリング
お子さまやご家族からお話をお聴きし、悩みや課題の整理を行うと共に、悩みや課題の軽減・改善に向けての話し合いを行います。
言葉によるやりとりだけでなく、遊びを通じて気持ちを表現していただくこともあります。
また表現方法として箱庭療法を用いることもあります。
- 箱庭療法
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心理技法の1つで、砂の入った箱に好きな玩具を選び置いていくというものです。箱庭で作った作品には上手、下手がなく、子どもは作品のできばえを気にすることなく取り組めます。
また、言語を用いなくてもできるので話すことに抵抗のある子どもでも取りかかりやすいです。箱庭療法は作品を通して自己表現するための助けになります。
- コンサルテーション
必要に応じて、お子さまに関わる外部機関(学校、保健所、福祉機関、医療機関など)と情報交換を行い、環境整備や支援の在り方について話し合います。
注意事項
- 風邪・発熱などの体調の不良の患者様はリハビリを受けることができない場合があります。
体調不良の場合はお電話にて御相談下さい。